アーキペラゴゼミ 豊島編

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アーキペラゴゼミ 豊島編

知事発表の翌日、掘削現場へ

2016年09月27日


台風は過ぎたのに、カラッと晴れない祝日。
前日までチャーター船は出るのかどうか、気をもみました。
雨でしたが、豊島の産廃処理現場の視察は予定通りにできました。

家浦港から処理現場までバスがでます。
廃棄物対策豊島住民会議が所有するバスです。
「音が静かです、何のバスでしょう?」と、
講師の石井亨さんが参加者に聞きます。
「土庄町が調停合意後に買ってくれました。
ディーゼル車が2台買える価格でした。
1回の車検でバッテリーを交換するのに500万円、
今はバッテリーの価格が170万円になりました」
2000年当時の最先端ハイブリッドバス、
バッテリーを2台積載しています。

環境にクリーンな面と価格面、どこをみてエコとするのか。
豊島事件のいきさつと処理事業の性質を聞くたびに、
私は疑問が増えます。
「矛盾ばっかりなんですよ」という石井さんの言葉を切り取れば、
整合性がとれない場面は日常にもたくさんあります。

豊島の人々がおりあいをつけて正義を通したこと。
産廃処理完了予定が来年の3月にせまっていること。
跡地をどうするのか。
「目の前からゴミがなくなったら、終わったでいいのでしょうか。
事業にかかった費用700億円を生かす答えを、持っていないのです」
と、石井さん。




掘削現場から新たに廃棄物が見つかったと報道のあった翌日。
ショベルカーの右手前辺りからでたと、県の施設担当者に聞きました。
豊島の行く先々でも島の人が「また出たな」と
石井さんに声をかけてきました。

豊島の有害廃棄物処理は続いています。
豊島の人々が命がけでたたかったことは、終わるのでしょうか。
答えのある「問い」ではないようです。
「答えを持っていない」なら、
誰でも参加型で答えをみつけていきたいと思います。
豊島事件はどういうことなのか、
何を学び得て、どう生かしていくのか。

次回は、10月4(火)午後に豊島ゼミを開講します。
Text:豊島ゼミコーディネーター 山下ナミ




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