先日の豊島ゼミ、じっくりと濃い内容でした。
「島に暮らす人にそんな時代があったなんて…」と、
顔を思い浮かべた感想がありました。
講師の石井亨さんは、
「住人亡き後もゴミに語ってもらう」と7mにもなるゴミの断層
“はぎとり”を前に住民運動の歴史を語りました。
豊島に不法投棄されたゴミにはどんなものがあったか、
それが積み上げられて層になった時間を
“はぎとり”という壁が示します。
兵庫県警による有害産業廃棄物不法投棄の摘発は、1990年11月16日。
あれから…という節目を、豊島の人たちは幾度重ねているのでしょう。
“はぎとり”の横に掲示された549名の名簿には
すでに半数以上のお名前に喪章がついています。
「豊島の問題は、ほとんど教科書から消えました」と石井さん。
豊島の廃棄物処理は、完全撤去と無害化、原状回復という
前例のない事業です。
膨大なエネルギーとコストをかけて処理が進む現場を前に
石井さんが事業の内容を話し、その意味を問いかけます。
現場を見て、当事者から聞いて、自分で考える豊島ゼミ。
今回は平日開催のため仕事のシフトを替えて参加してくださった方、
貴重なお休みに参加してくださった方などなど!
なにより石井さんが「休みをとってきたよ」と、
視察ガイドを引き受けてくださったことに感謝いたします。
次回は企業研修の依頼を受けて豊島ゼミを開催します。
(Text:豊島ゼミコーディネーター 山下ナミ)