豊島事件は、有害産業廃棄物が瀬戸内海に浮かぶ豊島(てしま)に不法投棄
された事件です。1990年の摘発当時、日本最大規模といわれました。
廃タイヤなどの自動車破砕くず、ドラム缶などが定期フェリーで運びこまれ、
ゴミは山となり、火をつけて燃やされました。
その土地は、国立公園でした。
事業者の私有地ではないところへ不法投棄し、国立公園の景観を変えるばかりか
私腹を肥やすための暴挙が、公費による廃棄物処理700億円へと跳ね返っています。
いま、国立公園の原状回復をめざして、自然保護の団体「瀬戸内オリーブ基金」が
活動しています。
11/7は、瀬戸内オリーブ基金の設立15周年記念式典とオリーブ収穫祭がありました。
東京からはじめて来ました、という企業のボランティアスタッフに交じり、
県内の小学生や中学生も参加。
廃棄物の撤去作業が進む現場をながめ、住民運動のリーダーの一人、
廃棄物対策豊島住民会議の事務局長 安岐正三さんから話を聞きました。
ゴミが山になった高さを想像してみるものの、90万トンがどれほどの量か、
それらがわずか数年で運びこまれたとは、私には実感できません。
ですが、目の前に広がるのは、
2017年の完全撤去を目指して土曜日も稼働する処理現場。
現場に立ち、当事者から話を聞く。
その機会はあとわずかです。
豊島ゼミ、11/19(木)に開催します。
(Text:豊島ゼミコーディネーター 山下ナミ)