台風は過ぎたのに、カラッと晴れない祝日。
前日までチャーター船は出るのかどうか、気をもみました。
雨でしたが、豊島の産廃処理現場の視察は予定通りにできました。
家浦港から処理現場までバスがでます。
廃棄物対策豊島住民会議が所有するバスです。
「音が静かです、何のバスでしょう?」と、
講師の石井亨さんが参加者に聞きます。
「土庄町が調停合意後に買ってくれました。
ディーゼル車が2台買える価格でした。
1回の車検でバッテリーを交換するのに500万円、
今はバッテリーの価格が170万円になりました」
2000年当時の最先端ハイブリッドバス、
バッテリーを2台積載しています。
環境にクリーンな面と価格面、どこをみてエコとするのか。
豊島事件のいきさつと処理事業の性質を聞くたびに、
私は疑問が増えます。
「矛盾ばっかりなんですよ」という石井さんの言葉を切り取れば、
整合性がとれない場面は日常にもたくさんあります。
豊島の人々がおりあいをつけて正義を通したこと。
産廃処理完了予定が来年の3月にせまっていること。
跡地をどうするのか。
「目の前からゴミがなくなったら、終わったでいいのでしょうか。
事業にかかった費用700億円を生かす答えを、持っていないのです」
と、石井さん。
掘削現場から新たに廃棄物が見つかったと報道のあった翌日。
ショベルカーの右手前辺りからでたと、県の施設担当者に聞きました。
豊島の行く先々でも島の人が「また出たな」と
石井さんに声をかけてきました。
豊島の有害廃棄物処理は続いています。
豊島の人々が命がけでたたかったことは、終わるのでしょうか。
答えのある「問い」ではないようです。
「答えを持っていない」なら、
誰でも参加型で答えをみつけていきたいと思います。
豊島事件はどういうことなのか、
何を学び得て、どう生かしていくのか。
次回は、10月4(火)午後に豊島ゼミを開講します。
Text:豊島ゼミコーディネーター 山下ナミ