豊島ゼミにこれまで参加してくださった方の中のある方は、当時の県の担当者の上司の方とお知り合いだったこともあり、この事件が全国ニュースになっているときは「大騒ぎになてて大変だなあ」と労いの言葉をかけたりしていたけれど、砂川さんのお話を聞いて事件の全容を知り、また、ゼミで渡された資料を帰って熟読していたら、「なんだ、ええ加減なことをしやがって」と怒りが込み上げてきましたと、興奮気味にお電話をくださいました。
そんな方もいるかと思えば、「(このゼミに)知らずにつれてこられました。今後はごみをちゃんと分別してすてます!」のような感想だけにとどめられる方もいらっしゃり、その反応は(当たり前ですが)十人十色だなあと、改めて感じるこの頃です。
以下にご紹介するのは、今年3月のゼミに(4月に豊島で開催された経営者向けのワークショップ準備もかねて)参加された方(@岡山市在住)の感想文です。
日程詳細は、巻末にご案内しています。
ちなみに、この記事のタイトルは、84歳というご高齢の砂川さんに、いつまで講師をお願いできるのかお尋ねしたときの、砂川さんのお返事です。「頭から枕が離れているうちは、みなさんに乞われたら、私でよければいつでもお話をさせていただきます」といつもおっしゃってくれます。
*****参加者感想文*********
来月初旬に豊島で行われる「岡部明美 3days in 豊島(てしま)……「宇宙のフローに乗った人生・仕事を実現する」の最終事前調整のために豊島を再び訪れました。
岡部明美 3days ワークショップ in 豊島(てしま)
http://web.mac.com/monjel1315/Site/Teshima-work.html
宿舎として用意してあるアモーレテシマリゾートの目の前には神子が浜という美しい砂浜が広がっていますが、実は、豊玉姫がウガヤフキアエズを産み落としたのがこの浜であるという伝承があるようです。
興味深いのはこの浜の北側、山二つ越えたところにある浜辺こそが豊島産廃処理場の舞台だということ……西側の海に面した神子が浜は破壊されなかったけれど、北側の海に面した美しい広大な砂浜は、旭硝子系列の豊島総合観光開発によって削りに削り取られ、ガラスの材料と化し、そしてもう砂浜が消滅して砂が取れなくなると、彼らは、さらに陸地を削りに削り破壊してしまうのでした。そして彼らはこの美しい聖域に開けた大きな穴に次から次へと産業廃棄物を投棄してゆきます。恐らくこの破壊された美しい浜は、背後に秀麗なピラミッド型の山を配置した豊島最大のビューティ・スポットをなしていたと思われます。
産廃処理場を進めた豊島総合観光開発の連中は、よりによって豊島のハートとでも呼ぶべきこの聖域をめちゃくちゃに蹂躙し、破壊してしまったのです。
現在は投棄された高濃度有害産業廃棄物からから滲み出し続ける汚染水を高性能処理システムを使って浄化し、健康に害のないレベルまで浄化して解き放っている一方、固形の汚染物を高性能処理施設で処理分別し、さらに中間処理を行ってくれるお隣の直島まで船で輸送していました……実際、立ち入り禁止区域であるこの処理施設エリアに、砂川さんのお陰で入ることができたのですが、現地に立ってみて、自分が福島第一原発のそばに立っているような奇妙な感覚に襲われたものです。
汚染水が地下水となって海に漏れ出ないようにするため、海側には厚い岩盤層に届くまで深く打ち込まれた鉄板の壁が張り巡らされています。
放射性汚染物質は含まない産業廃棄物でさえ、本格的な処理をするためにはこれだけ大掛かりな処理施設が必要になることをこのからだで感じとったとき、一体、福島原発周辺はこれからどうなってゆくのだろうと暗澹たる気持ちになってきました。
ともかくまだ生き証人である砂川さんが存命のうちに、できるだけ多くの人に彼の語りを聴いて欲しいと思いました。ここには福島原発事故の今後の処理プロセスを見据える上でも大切なヒントがあります。
産廃業を強引に進めようとする一業者の横暴な振る舞いに香川県の行政は屈して、見て見ぬ振りを続けたのですが、1990年、兵庫県警がいきなり業者を摘発したことによってブレーキがかかります。このとき兵庫県警を率いていたのは、後にオウム信者によって狙撃されることになる国松長官でした。
思えば秀麗な富士山の麓に醜悪なサティヤンの群れが林立し、そこでサリンが作られていたように、豊島富士とも呼ぶべき、秀麗なトンギリ山の麓を産業廃棄物の毒物を凝縮するプラントが作られていたのです。
豊島の産業廃棄物処理施設、オウムのサティヤンと、福島原発の建屋とが一連のイメージのなかで連動して浮かんできます。
豊島の産業廃棄物は当初予測されていた60万トンをはるかに越え、90万トン以上が埋蔵されていることが判明し、処理期間は、当初の計画より大きくずれ込むようです。
幾多の苦難を乗り越えて、ようやく持ち込まれた産業毒を処理・無化するプロセスに乗ることができた豊島の現実とそれにもへこたれず島の再生に向かおうとしている心ある人々の熱意は、3/11の原発事故以降の日本の動向を占う意味でも貴重な宝です。
ぜひぜひ1人でも多くのひとに、砂川さんの肉声に触れ、豊島産廃闘争の歴史を学んでいただけたらと思います。次回の豊島砂川ゼミは、4/22の第四日曜の予定です。興味のある方は予約の方法など詳しいことをお伝えしますので、連絡ください。
彼らはこの島を守ろうとした、自分の為ではなく未来の島民の為に (http://kappadoujou.ashita-sanuki.jp/e506214.html )
★豊島ゼミ 水無月スケジュール
日 時:2012年6月24日(日) 午前10時 家浦桟橋付近集合(家浦へはそれぞれのご都合のよい方法でお越しください)
日 程:
10時〜12時 砂川三男廃棄物豊島住民会議元議長のガイドによって、現場視察と豊島事件のおはなし
12時〜13時 昼食 住民運動に共感してはや5年目の炎の料理人細川学スピリットの料理を食べながら座談会
13時〜15時 石井とおる(豊島出身元県議)による「豊島の水と歴史をたどるゼミ」。檀山頂上に登り、太古の日本列島、縄文海進、豊島の形成などから、豊島の水を主役に悠久の歴史をたどり、今度は現在から未来の豊島に思いを馳せていただきます。
15時すぎ 家浦港にて解散
※高松行の船は、15時10分と、17時20分(最終便)に家浦港を出港します。
最終便でお帰りになる方の15時~17時までの豊島での過ごし方もご相談に乗ります。
参加費:3500円(視察費用2000円、昼食代1000円、午後ゼミ授業料500円)
(text by栗生)
■お申込方法■
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・参加者名
・電話番号(当日連絡が取れる携帯番号など)
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を明記の上
6月21 日(木)までに
◎NPO法人アーキペラゴ
T :087-811-7707
M:info@archipelago.or.jp
当日連絡先: 090-4336-3104(栗生)
もしくはお申し込みフォームより
ご連絡ください。