4月6日の新聞等でも報道されてましたが、国連の「海洋会議」の宣言案に「深刻化するプラスチックごみによる海洋汚染を防ぐため、レジ袋や使い捨てプラスチックの廃絶を各国に求める。」ことになりました。
■使い捨てプラ製品廃絶を要求 ー 国連の「海洋会議」宣言案
「レジ袋」などと具体的に明示していることが大きな進歩です。
これまでレポートにも書いてきましたように、海洋ごみの問題は、「拾う」「回収する」だけでは解決しません。かといって、「発生抑制」に向けた「啓発活動」で十分かと言うと、人の中には一定人数で不届き者が存在しますし、真面目な人でも知らない間にごみを発生している可能性がかなりあります。「突風でレジ袋が飛んでいった!」「持ってたはずのカップをいつの間にか落としてきた」などなど。社会の営みの中で一定量が流出ごみとして「発生」してしまうことはなかなか避けられない事実です。
ですが、仕組みを変える、ルールを変えることで発生していたごみをゼロにする手段はあります。ひとつの例は、プルタブからステイオンタブへの転換です。80年代後半から急速にステイオンタブに切り替わったことで、プルタブ型の缶飲料は今ではほぼ見かけなくなりました。同時に、路上でも浜辺でもよく落ちていたプルタブも見なくなりました。
これで誤飲していた動物はかなり救われることになりましたし、浜辺で裸足になってプルタブで足の裏を切ることもなくなりました。たまーーに、昔のがどこからかやってきて落ちてたりはしますけどね。
転換することでなくなる流出ごみはまだまだたくさんあるはずです。国や自治体の力で規制を加えていくのもひとつですし、メーカーや流通業者が自発的な取り組みをすることに期待するのもひとつですが、一番大事なのは消費者の意識改革ではないでしょうか?今の海洋ごみの実態は消費者が選択して商品やサービスを受け入れてきた結果です。
田舎でジョグなどしてるとよく落ちているのが上の写真のお手拭。川沿い走ってるとほんとよく落ちてます。僕の田舎の民度が低いだけかもしれませんが、瀬戸内海の浜辺でもたくさん流れ着いてます。ほとんどがコンビニやスーパーで配布されたものです。コンビニでお弁当やカップ麺買うと、お箸とともに頼んでもないのにくれますよね。消費者が望んだ結果のサービスです。これを「必要ありません」とレジ袋含めて断る人が増えればだんだんコンビニ側のスタンスも変わってくるんじゃないかなと思うんです。
同じように、買い物時はレジ袋じゃなくてエコバッグを必ず持参する。ペットボトル飲料は買わずにマイボトルを持ち歩く。コンビニなどでホットコーヒーを買った時はプラスティックの蓋は使わない。とにかく使い捨てのプラスティック製品をできるだけ避ける・・・
こういう消費行動をする人が増えることが、メーカーや流通業者の態度を変えて、国や自治体の政策に影響を与えるんだと思います。
プラスティックごみは放置すると紫外線や波の影響で破片化し、回収がより難しいマイクロプラスティック化してしまいます。「拾う」では解決できない問題です。
と、ここまで長々書いてきましたが、そんな消費行動をする人が簡単に増えないことはよくわかっているのも事実で、なかなかつらい所です。みんな楽したいし、自分だけが率先してやることの虚しさもありますよねー。僕は会社経営をしていて、これだけ使い捨てプラスティックの利用はやめようと発言し、「自然との共生」を創業以来掲げて18年目ですが、今もオフィスのごみ置き場を見るとペットボトルがまぁまぁあります・・・。足元でこれですから、共感の輪がなかなか拡がらないのは仕方ありません。
けど、海に行くじゃないですか。美しい瀬戸内海の海。で、目を転じると大量の漂着したプラスティックごみがあるわけです。しかも使い捨てプラスティックごみが多数。そしてそれが太平洋などに流出してしまっている。
するとまた気持ちを新たにするんです。やっぱり声を出して、ひとりでも海に連れて行って遊んでもらって、気付いてもらわなくてはいけないなと。
☆一緒に活動してくれる仲間を集めのためにFAVVOにチャレンジ中!!☆
※プロジェクトは終了しました。
≪ビーチクリーンアップ催しの案内≫
「せとうちクリーンアップin田の浦」
5月27日 10時~12時 田の浦野営場に集合
※募集は終了しました。