香川県文化会館1階の香川漆芸ホールで
「香川県漆芸研究所の創立期を支えた作家たちの作品展」が開催されています。
香川県漆芸研究所が創立されて60年。
創立には、地元の方はもちろん、さまざまな方が関わっていました。
「当研究所は、常々地元漆工芸界の強い要望があった上に、
文化庁の杉原信彦氏、当時の東京芸術大学教授松田権六先生、
金子正則県知事、久保田英一県教育長、
そして香川県漆器工業協同組合理事長森繁治氏らのなみなみならぬ
御尽力により、全国にさきがけて、香川の伝統漆芸である、
蒟醬、存清、彫漆などの技法を伝承、発展させる後継者育成の公的機関として
呱々の声をあげたのです。」
(「香川県漆芸研究所 30年のあゆみ」より)
漆のことを調べている中で出会った本に、
漆芸研究所の創立に関わられた松田権六氏の「うるしの話」があります。
50年ほど前に刊行された本ですが、今、読んでも面白く、勉強になり、
ますます、漆のことを知りたくなりました。
もう一冊、
住谷晃一郎氏の「讃岐漆芸 工芸王国の系譜」
香川漆芸の祖といわれる玉楮象谷から、中興の祖といわれる磯井如眞、
如眞の子息の磯井正美氏、教え子の太田儔氏、
そのほか香川漆芸作家らの作品とエピソードで綴られた一冊です。
「讃岐漆芸を分かりやすくヴィジュアルにたどれるよう、
物語風の読み物仕立てになっていることです。
これまでの美術書はともすると難解で、
かえって興味をそがれるものも多く見受けられました。
そこで読み切り風に七十六話に分け、
エピソードをまじえながら楽しく読めるよう構成しています。」
(「讃岐漆芸 工芸王国の系譜」より)
作品展では、2冊で紹介されている作家が制作された作品が
(同じものではありませんが)展示されています。
香川漆芸にまつわるお話を読んでから作品展をみると、
より楽しめることでしょう。
開催は3月1日までです。